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2024年6月25日火曜日

聴いてみたい、見てみたい

 


小林研一郎さん

「炎のコバケン」という異名もお持ちの

言わずと知れた名指揮者です。

でも、私は、お名前を存じ上げるだけで、

その指揮棒から奏でられる音を聴いたことも

指揮を振っているお姿を拝見したこともありませんでした。


一度は!

と思っていた長年の夢がかない、

先日、小林研一郎さんの演奏を

ミューズ・アークホールで聴くことが出来ました。



まず、ご登場されて驚きました。


下手から指揮台に行く手前の数歩歩いたところで、

ゆっくりとていねいに曲席に向かって一礼されました。

そして演奏中においては、

楽章の合間に

ハンガリー・ブダペスト交響楽団の奏者に

さっきはありがとう。次の楽章も、よろしく。」

とおっしゃっているかのようなお辞儀を

たびたびされていてました。

『炎のコバケン』という異名から(私が勝手に)想像していたのとは異なり、

なんて心のある

ステキな作法をお持ちの魅力的な方なんだろうと思いました。



1曲目は

1位をとったブダペスト国際指揮者コンクールで

ハンガリー・ブダペスト交響楽団と演奏した

思い出の課題曲、

ロッシーニ作曲『セビリアの理髪師』。

マイクを持って

50年前のコンクールでのご様子も語ってくださり

より演奏を楽しく聴くことが出来ました。


(2曲目につきましては、次のブログでご紹介します)


3曲目はチャイコフスキー『交響曲第5番』。

こちらは、

チャイコフスキーのメロディの美しさを

ここまで引き出すことが出来るものなのか…

チャイコフスキーも喜んでいるだろうな…

という演奏で、

特にその2楽章では、涙が止まらないほどの名演でした。


鳴りやまない拍手後のアンコールでは、

『ハンガリー舞曲』を日本人指揮者が日本風に振ったら…という

おもしろい企画をしてくださって、

かなり癖のある、濃い、ユニークな演奏をしてくださいました。

その演奏が終わるや否や

「ブラボー!!!」の声に交じって

「すごいっ!!!!」

と、私も思わず声を発してしまったほど、

惹きつけられたすばらしい演奏でした。

ハンガリー・ブダペスト交響楽団の方たちが、

ニヤニヤしながらも楽しそうに

演奏してくださっていたのも、また印象的でした。


聴きに来てくださった方も大切にした上で、

ハンガリー・ブダペスト交響楽団員の方へのリスペクトも忘れない。

そんなお人柄あふれる

小林研一郎さんの演奏を聴くことができてよかったです。

世界的な名指揮者とうたわれる理由がわかった

素晴らしい演奏会でした。

小林研一郎さんの演奏、また聴きに行きたいな。