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2025年2月1日土曜日

「弾く」≠「練習」


「ピアノの練習、してきた?」

とたずねると、

「してきた!」

と、自信をもって答えてくださる生徒さんが、

教室を始めたころから変わらず

一定数はいらっしゃいます。


でも…とても申し訳ないのだけれど、

練習をしてきたとは思えないその弾きっぷりに

「う~ん…してないでしょ?」

と聞くと

「した!」

と。


(なんなんだろう…この出口の見えない押し問答は…?)

と、長年もやもやしていました。


ところが、昨日、レッスンで

このやり取りをしていて

「はっ!」と気づきました。


生徒さんの『練習』したという定義と

私の『練習』したという定義が

そもそもずれていたのです。



「した!」と胸を張って答えてくださった生徒さんのにとっての『練習』は

とりあえずピアノのふたを開けて

弾きさえすれば

それが練習したカウントに。

その練習したという時間は、頭も身体も心もフラットな状態。


私にとってイメージする『練習』は

一人二役の真剣勝負。

先生はいないけれど

自分で先生役と生徒役をしながら…

「ここ、先生に注意されたでしょ?」→「取り出して練習しよう!」

「この細かい音符弾けてないよ?」→「リズムを変えてやってみよう!」

「表現の仕方どう?」→「ほかの人はどんな演奏してるんだろう?YouTube見てみよう!」

頭も身体も心もフル回転。



とはいえ…

遊びも勉強も他の習い事も忙しい生徒さんたちです。

ピアノの練習時間確保すら難しい日もあるはずなので、

一日一か所でも

「今日は、ここを工夫して取り組んでみた」

と胸を張って言える箇所があれば

一週間後のレッスンで、

その7か所は、輝きを放つはずです。

私は、それをすかさず見つけて

お褒めします。


ここまで書いてみて改めて気が付いたのですが、

ピアノの練習って、

いろいろなことが身につくんですね。

これを続けることができたら…

ピアノの演奏はもちろん上達し、

そのおまけとして

すばらしい人間力が培われそうですね。