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2024年8月24日土曜日

ザルツブルク音楽祭Ⅱ(音楽旅行記Ⅳ)


ステージを見て目を疑ってしまいました。


ピアノは、スタインウェイ。

でも、椅子は…

「え? パイプ椅子?

楽屋から持ってきたの?

調律師さんの忘れ物?」



 …ところが…

ヴォロドスさんは、

こちらの椅子に座って演奏を始めたのです。


きっと、いろいろ試された結果、

この椅子が一番しっくりきて、

演奏しやすいと

落ち着いたのでしょうね。


さて、プログラムは…

シューベルト作曲:ピアノソナタイ短調 D.845
シューマン作曲:デイヴィッドバンドラーの踊り Op.6
リスト作曲:ハンガリー狂詩曲イ短調(ヴォロドス バージョン)

という内容でした。


この度はじめて耳にしたヴォロドスさんの演奏。

どうしてそんなに繊細な弱音を

この楽器で出せるのか…というほど、

P(ピアノ)やPP(ピアニッシモ)の音が

優しく、穏やかで、まろやかで…

美しかったです。


プログラム最後の

ヴォロドスさんがアレンジした

『ハンガリー狂詩曲イ短調』は、

ものすごかったです。

素晴らしい…を通り越しての、

ものすごい…でした。


人間の技とは思えない、

手の動きが見えないほどの超絶技巧。

思わず身を乗り出して、

全てを見逃すまいと

見て…聴いてしまいました。


全プログラムの演奏が終わった後は、

観客総立ちのスタンディングオーベーション。

観客全員で次第に拍手をそろえていき、

ヴォロドスさんは

それに応えて、

なんと…!

アンコールを4曲も弾いてくださいました。


その中の1曲、

シューベルトの『楽興の時 第3番』は

ヴォロドスさんの解釈にびっくり。

楽譜から、シューベルトのその想いをすくい上げたのか!!

と、目からうろこでした。

(帰国してから、自分でも弾きなおしてみました)



「日本に、もしヴォロドスさんが来てくださったら

ぜひ聴きに行きたいね」

話しながらホールを後にした

素晴らしいコンサートでした。


そんなヴォロドスさんの演奏動画を見つけました。

もし、よろしければ

ご覧になってみてください。